こんばんは❗
笑顔マイスターSanukaitoです。
香川にUターンして2年目。
気付いたことは、茶の湯文化が盛んと言うこと。
大きなお茶会のできる施設も多いですし、お茶会も多い。
店舗の減った高松の商店街でも、お茶屋さん、和菓子屋さん、呉服屋さんは昔と変わらず健在です。
それだけの需要があるのでしょう。
関東や関西では、「小学校のお受験の為に、子供の茶道教室が順番待ちでなかなか通えない」と、言う話を
先日、東京であった秘書サービス接遇教育研究学会で聞いたばかり。
都会では、お茶、お花は過去のものあるいは、特別な人のものといった風潮が強いのでしょう。
神戸で子育て中の時も、子どものお友達で習っている人はいませんでした。
でも香川では、多くの幼稚園や小学校、中学、高校に茶道クラブがあります。身近で、ちゃんと正式な師範の免状を持った先生が教えに来てくださるのです。
クラブなので、部費(お茶とお菓子代)程度らしいですが、入りたい人は、ほとんど入れるそうです。
そりゃ、裾野が広い訳だと納得しました。
香川で、秘書検定など、ビジネス検定系が不人気なのは、この辺りにも理由があるような気がします。
一期一会のご縁を大切にした ご接待(おもてなし)文化が讃岐のマナーの根底であれば、ビジネスマナーなんて、白々しいと考える人が多いのかもしれません。
所変わればマナーも変わる
一般マナーは特に違います
時代と共にビジネスマナーすらも変わりつつありますが。
私は関西作法会で、関西のマナーや作法は学んでいても四国、香川のマナーを知っているとは言えないのではないか?と思うようになり。。。
今年4月から裏千家のお茶を習い始めました
裏千家を選んだ理由は、
幼稚園や学校、カルチャーセンターで多くの教室を開催しているので、一番ポピュラーなように感じたので。
関西作法会と同じ部分も多いけれど、ずいぶん違いました。
例えば、歩き方ですが、
「擦って歩く」「斜めOK」が私は苦手です
関西作法会では、「擦らずに音を立てないで歩く」「畳の中央を歩く」「斜めに歩かない」が基本でした。
立ち方座り方も違います。
裏千家では、両足を揃えてスッと立ち座りしますが、
関西作法会では、
立つ時は、ひざつきから右足を半足出しスッと立ち上がります。
座る時は、右足を半足引いて座り、正します
この方が安定性が良く、丁寧な「真」の所作と習い身につけました。
裏千家の両足揃えは略式「行」の立ち方
普通の立ち方座り方というわけで、練習はしません。
ところが、物を持って立ち座りすると、「行」立ち方座り方の方が難易度が高いのです。
つい癖で半足動かすと着物の裾が乱れます。すると先生から注意を受けるといった具合です。
お稽古始めて僅か5ヶ月
9月8日月釜茶会の「お運びさん」デビュー
歩き方、立ち方、足運びを、ことごとく注意されながら、当日を迎えました。
一度付けた癖って恐ろしい
わかっていても、そう簡単には直りません。
先日、先生のお宅でお茶会のためのお稽古があり、
お運びの練習のため、点てて頂いたお茶を持って立ち上がる際、立ち方を間違えました。
間違えたら、間違えたまま立ち上がれば良いものを、変に直そうとしたものだから、着物の裾を踏んで後ろに重心が…
しまった!転けるとわかった瞬間、身体を支える事より、お茶を溢さない事を優先してしまった私。(ー_ー;)
先生のお宅や、お点前の先輩の着物を汚したくない一心でした。奇妙な回転レシーブのような大げさな転け方をして、お茶は一滴もこぼれずセーフでした。
が、派手に転けても、お茶を溢さなかった武勇伝?が同門の皆さんに知られてしまい、
8回のお茶席を、大過なく(転けずに)お運びできた事を、皆さんから労っていただきましたf(^_^)
ホントに穴があったら入りたいマナー講師です
お茶の先生から注意を受ける度に思い出すことがあります。
5面前、関西作法会で養成講座の講師をしていたときのことです。小笠原流の師範の免状を持った現役秘書のAさんを、受講生に迎えました。
ビジネスも人生経験も私より上の方でした。
「それは違う」「なぜそうするのか意味を教えてくれ」とよく言われました。
その方のお気持ちが、今とてもよくわかります。
その時の自分の台詞が、今こだまします。
「マナーは、その場によって違うものです。」
「絶対に正しいマナーなんてありません。所作もそうです。」
「Aさんの所作も小笠原流では、正しいと思います。でも、ここは関西作法会の講師養成講座です。関西作法会のマナーと所作を覚えてください。」
当時も今も間違っていないと思っていますが、私のような者がAさんのような方によく言えたものです
あの時のAさんは、関西作法会流に近づけるよう努力なさっていましたが、どんなお気持ちだったのでしょうか
Aさんの気持ちにきちんと寄り添えたか?
傲慢であったり、押し付けたりしなかったか?
Aさんが身につけていた所作の方が、はるかに難易度が高かったのに。知らぬが仏とは、恐ろしい。
今ならもっと上手に説明できるのにと、ちょっと悔しいです
一席で50人以上をおもてなしするお茶席の「お運びさん」を体験して、裏千家の先生が教えてくださっている所作は、物を持って、大勢の人が行き来する際、安全にスムーズに行き交う歩き方でした。
一人でお稽古する時は、気づきませんでしたが、今回はっきりとわかりました。目的や状況が違えば、違って当たり前です。
関西作法会のものとは、目的が違っていました。
関西作法会で身につけた「真」の歩き方は、改まった正式な場所で、一人で行う歩き方
「真」= 正式 「行」= 略式 「草」= 普段
普段 < 正式
「真」が一番格上と思っていましたが、難易度は「草」が上
つまり、日常を大切にしなければいけないとしみじみ思いました。
頭ではわかっているつもりでも、実際にその場で体験してみなければきちんと理解することは難しい。また一つ勉強になりました。おそらく、先生はすべてお見通しだったのかもしれません。
9月8日の月釜茶会はお蔭さまで、大盛況のうちに終了しました。
先生のおしまいのご挨拶の言葉
「皆さんのお蔭で無事に終える事ができました。ありがとうございます。他の会の先生方も大変多く来てくだり、本当に沢山の方々に支えられたお茶会でした。大変嬉しく思っています。皆さんもお疲れ様でした。ゆっくり休んでくださいね。」
関西作法会の会訓10ヶ条の3
「多くの人に支えられていることに感謝すること」
を思い出しました。
讃岐(香川)のマナーの神髄を垣間見た気がいたします。
やはり、関西も讃岐も根底は同じでした。
ただ、やはり「真」は基本で大切なことだけど、そのことだけにこだわる伝え方は、NGということも感じました。
讃岐(香川)のマナーは、ゆるぎたるぎの精神かもしれません。
本日もお立ち寄りくださいましてありがとうございました。